アートをめぐる旅

パリ・ワシントンDCで暮らした共働きの転勤族が、歴史・文化・芸術・自然をめぐる旅をしています。

ふたたびの熊野古道へ《1》 世界遺産 熊野那智大社  

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週末を利用して南紀熊野へ!
ただいま紀伊半島をくろしお号に乗って南下中です。
海南を過ぎたあたりから、景色も気分もバカンスモード。みかんの有田、醤油の湯浅、梅のみなべ、パンダの白浜、くじらの太地・・・ 土地のウリがひと目でわかる味のある看板が旅気分を盛り上げます。串本では有名な奇岩群 橋杭岩が車窓からバッチリ見えて大興奮~♬

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新大阪から3時間50分、紀伊勝浦駅に到着しました。特急にして約260キロの距離を4時間がかりというと幾分スローに思えますが、車窓からの眺めに目を奪われて文庫本も出番なし。自家製弁当もなんだかいつもより美味しく感じたりして。

早速、昭和30年代で時が止まった駅前ロータリーから、八咫烏(やたがらす)のエンブレムが輝く熊野バスに乗車。世界遺産 熊野那智大社と那智の滝、そして、西国霊場第1番札所 青岸渡寺を目指します。

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世界遺産 熊野古道 大門坂(だいもんざか)入口

日本に住んでいても、そう気軽には来ることのできない南紀にも外国人観光客多数。アジア系だけでなく欧米の言葉も聞こえてきます。トレッキングウェアに身をつつみ、本気で日本を体験しに来ている人たちの多さにあらためて驚きを感じました。例えていえば、日本人がキリスト教の巡礼路サンティアゴ・デ・コンポステーラ(世界遺産)を歩きに行くようなものですもんね。

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駅からバスで20分、大門坂停留所から熊野古道に入りました。
昨年歩いた馬越峠が素晴らしく、再訪を誓った熊野古道。樹齢800年の杉からパワーをもらい、参詣者の旅の安全を祈願した九十九王子のひとつ多富気王子跡(たふけおうじあと)に往時の賑わいを想像し、苔むした石段をトレッキング。こちらの道は650mと短いながらも雰囲気は充分。体力のない方にもおすすめです。

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熊野古道から昭和レトロな参道に切り替わっても階段は続きます。熊野那智大社に着く頃には足の筋肉が心地よく締まっていい感じ。振り返ると絶景が広がり、はるかに海まで見えるではありませんか。吹き抜ける爽やかな風で一気にクールダウン。呼吸を整えて、柔らかな丹塗りの社殿へ。全国約4000社の熊野神社の総本社は、2004年 『紀伊山地の霊場と参詣道』の一部として、世界遺産に登録されました。

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高野山とともに世界遺産となっている 『熊野三山』とは、熊野本宮大社(田辺市)、熊野速玉大社(新宮市)、そしてこの熊野那智大社(那智勝浦町)の3つの神社のこと。舌を噛みそうな名前の神々があまた祀られる日本有数のパワースポットでもあります。「蟻の熊野詣」といわれたほど、いにしえよりたくさんの人々が神仏のご加護を求めてこの地を目指しました。

信仰の篤さを例えて 「伊勢へ七度(ななたび)熊野へ三度(さんど)」という言葉があるそうですが、熊野詣の険しさも同時にあらわされています。京都から人の足で往復1ヶ月かかったといいますから、くろしお号をスローだなんていったらバチが当たりますよね・・・

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由緒によれば、紀元前662年のちの神武天皇が輝く山に滝を見つけ、その滝をご神体として祀ったことに起源を持つ那智山信仰。天照大神より使わされた八咫烏に導かれて大和(奈良)の橿原で天皇に即位します。そして、仁徳天皇5年(317年)に社殿が造営。今年 2017年は熊野那智大社創建1700年のメモリアルイヤーなのです。『熊野』のクマは動物の熊ではなくて、カミと同義で「神の野」という意味なんですって、知らなかったなぁ。

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カラスなのに、なんだかかわいい・・・^^
神武天皇を奈良の橿原へ導いた八咫烏(やたがらす)は、導きの神様として熊野のシンボルにもなっています。現代社会では嫌われモノのカラスが、神話に登場する聖なる鳥だったとは。『咫(あた)』とは長さの単位で、大辞泉によれば親指と中指とを広げた長さとあります。8倍すると・・・ 大きすぎでしょ!

なお、主祭神は、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)。ふすみが結(むすび)で縁結び、諸願成就、その他いろんなご利益があるそうですよ。

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長くなったので、那智の滝と青岸渡寺編は次回~







category: 和歌山

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