アートをめぐる旅

パリ・ワシントンDCで暮らした共働きの転勤族が、歴史・文化・芸術・自然をめぐる旅をしています。

大阪市立美術館 ‟木×仏像 飛鳥仏から円空へ”  

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奈良国立博物館で開催中の『快慶展』につづいて、木から彫り出された木彫仏の展覧会に行ってきました。快慶展の半券提示で提携割引もアリ。飛鳥時代から江戸時代の円空仏まで、奥行ある仏像の世界を堪能することができました。

彫られた木の種類にも着目して選ばれた仏像たちは、クスノキやヒノキなどさまざまで、いかに日本が古代より森林資源に恵まれた国であるかを実感します。

木材というのは年数が経過すると乾燥によって収縮し、ひび割れが生じるもので、それを防ぐために仏像の中心を空洞にする『内刳り(うちぐり)』などの技法を駆使するわけですが、それでも1300年以上前につくられた木像が原型をとどめているなんて、日本の湿潤な気候がもたらした奇跡といえるでしょう。

フランスの大聖堂や教会、意匠を凝らした彫刻がさまざまな種類の石でできていて、それぞれに異なる色や手触りが個性を形づくっていたことをふと思い出しました。

今回の展覧会では、奈良 東大寺から国宝の弥勒如来坐像《試みの大仏》が出陳。ポスターでぎょっとさせられた‟顔のなかから顔!”の宝誌和尚(ほうしおしょう)立像、そして美術館からほど近い四天王寺所蔵の千手観音・二天像箱仏は小型のフィギュアのような可愛さで目が釘づけに。

普段、お寺では薄暗い環境のもとで仏さまに手を合わせることが多いので、スポットライトを浴びて細部までじっくり観察できるこのような機会はとても貴重。観音さまの頭上に乗っている小さな仏面の表情の違いや、なかなか目にすることができない後ろ姿など不躾なくらいあらゆる角度から鑑賞させていただいて大満足です。

ちょっと意外だったのが、30~40代男性の姿が多かったこと。不安だらけの世の中で疲れを癒しているのかと思いきや、純粋に時代を超えた芸術に没頭している雰囲気でほっとしました・・^^ 宗教の枠を超えて仏像に魅せられている人は、年齢を問わず増えてきているのかもしれませんね。




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古代遺産をめぐる 百舌鳥古墳群ウォーキング  

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5世紀半ば築造といわれる前方後円墳、仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)

ゴールデンウィークも後半~ しかも暑い・・
なるべく混雑の少ない面白いところ・・・ということで、大阪市の南に位置する堺市が誇る百舌鳥(もず)古墳群に行ってきました。土器には特にドキドキしませんが、古墳が放つどこか神聖な雰囲気と突き抜けた存在感に惹かれます。まずは、前方後円墳を鍵穴に見立てて、下底の真ん中に位置する拝所から一周約3kmのウォーキングへGO♪

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なんと帆立貝形古墳も!全長約65mの収塚古墳(おさめづか)

大阪には百舌鳥古墳群と並んで、藤井寺市、羽曳野市にまたがる古市(ふるいち)古墳群があり、現在、世界遺産登録に向けて活発な活動が展開中。3世紀後半から7世紀までの約400年間の古墳時代のなかで、百舌鳥・古市古墳群がつくられたのは4世紀後半から6世紀前半にかけて。古墳時代中期のもっとも大型の墳墓が次々とつくられた時期にあたります。現存する古墳はあわせて90基ほど。犬も歩けば古墳にあたるエリアなのです。

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仁徳天皇陵古墳の外周は2850mのウォーキングコース

大阪発のパンフレットでは『クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓』と称されている仁徳天皇陵古墳。世界からの認知度はさておき、ヘリコプターにでも乗らない限り正確な形状はおろかそれが墳墓であることすらも判然としない巨大さです。私たち日本人に備わった‟神道スピリッツ”がなければ、ただの森にしか見えないかもしれません。

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堺市役所21階展望ロビーからの古墳ビュー

さらに古墳を楽しみたい方はこちら。
休日も無料開放している堺市役所21階展望ロビーは定番観光スポット。仁徳天皇陵古墳、ニサンザイ古墳、永山古墳、御廟山古墳、履中天皇陵古墳・・といくつも見えるのですが、この高さと距離ではちょっと分かりにくいかなぁ。それにしても気分爽快な360°の大パノラマ!古墳ファンならずとも一見の価値ありです。西に淡路島、北にあべのハルカス、東に金剛山と周辺地理もよくわかります。ここまで歩くのがツラい方には「堺まち旅ループ」循環バスも便利です。(土日祝のみ)

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仁徳天皇陵古墳となりの大仙公園は市民の憩いの場

一説には、古代の大阪湾から入ってくるアジアからの使いにヤマト王権の力を誇示するために、当時は海に近かったこの立地に大型古墳がつくられたといわれています。往時は100基以上あったそうですから、古墳造営に一生を捧げた人もたくさんいたでしょう。仁徳天皇陵に至っては1日最大2000人が働いて15年8ヶ月かかったとの試算もあり、それだけのマンパワーがどこにあったのか謎も尽きません。造営当時は葺石で覆われ埴輪などで装飾された凝った造りだったと想像すると、景観もずいぶん違ったものだったことでしょう。

歩きに歩いた古墳ウォーク、ラストは大仙公園内の堺市博物館へ。バーチャルリアリティー技術をつかった3DCG映像で古墳群造営の歴史を無料で視聴。観光ボランティアの方からもいろいろな話を聞けて、歴史へのさらなる興味が湧いてきました。

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百舌鳥古墳群ウォーキングマップ




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