アートをめぐる旅

パリ・ワシントンDCで暮らした共働きの転勤族が、歴史・文化・芸術・自然をめぐる旅をしています。

奈良国立博物館 ‟快慶 日本人を魅了した仏のかたち”  

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快慶 日本人を魅了した仏のかたち

最近の美術展のチラシって、デザインもコピーも趣向を凝らしたものが多く、観に行く予定があろうとなかろうと、思わず収集してしまいたくなります。快慶展のはなんと、上の釈迦如来立像(米国・キンベル美術館)。なが~いこのチラシが半分に折られた状態でラックに並べられていて、一瞬2枚取ってしまったのかと思ったら、ベロンとA4サイズ2枚分のロングバージョンでした!ん~、ウチに貼りたい!(社宅なので無理だけど)



快慶(?~1227以前)といえば、仏師の一派『慶派』を築いた康慶の子運慶と並び称される鎌倉時代の大仏師。てっきり運慶の兄弟かと思っていましたが血のつながりはなく、それゆえ出自など不明な点が多く、仏師としての出世は運慶やその子湛慶よりも遅かったのだそうです。ですが、重要な造像には早い時期から抜擢され、腕一本でのし上がった強者(つわもの)の姿が浮かびあがります。

よく優れたものは『オーラを放つ』というけれど、博物館のなかで無意識のうちに手を合わせそうになったのははじめてです。自身も阿弥陀仏の篤い信仰者だった快慶の作品からは、美しさとおおらかさ、そしてなにより気高さを感じ、転勤直前期で落ち着かない心がすーっと静かに洗われたように感じました。

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高さ8メートルを超える東大寺南大門の金剛力士像

今回の展覧会でいちばん印象に残ったのは、1180年の平氏による南都焼き討ちで東大寺や興福寺が灰燼に帰したとき、復興の最前線に運慶、快慶たち奈良仏師の一団が選ばれたという話でした。彼らが威信をかけてつくったもののなかに、東大寺南大門の金剛力士像があり、製作の裏には喪失から這い上がろうとした時代の空気や人々の想いが込められていることを知りました。

2017年9月26日(火)からは、東京国立博物館にて‟運慶”展がはじまります!これはもう観に行かなければ。

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猿沢池から興福寺五重塔を望む

もっと仏像に触れたい方には ‟なら仏像館” がおススメ。奈良国立博物館の1部門で、建築家片山東熊の洋風建築が離れのような感じで建っています。展示室ですれ違った修学旅行生が 『ここ、めっちゃヨーロッパって感じやね~』と高い天井を見上げていて、思わず『でしょ~?!』と返しそうになりました。メジャーな展覧会には大挙して人が押し寄せるのに、価値の高さでは変わらない収蔵品が並ぶ仏像館は人もまばらでとっても静か。奈良国立博物館は、国宝、重要文化財を含む約3800点が所蔵、寄託されている仏教美術の宝庫です。







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