アートをめぐる旅

パリ・ワシントンDCで暮らした共働きの転勤族が、歴史・文化・芸術・自然をめぐる旅をしています。

京都で旅する地獄と極楽 世界遺産平等院と六道珍皇寺  

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10円玉でおなじみ平等院鳳凰堂

本日のタイトルは、前回のNHK“歴史秘話ヒストリア”からいただきました。
宇治の平等院と東山の六道珍皇寺をめぐるストーリーが面白くて、まだどちらもブログにUPしていなかったので、復習がてらご紹介しましょう。しかし、番組の構成を考える人って天才ですね~。

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国宝 鳳凰堂と内部の本尊阿弥陀如来像

平安時代、絶大な権力を誇った藤原道長の痛ましい死に恐怖を覚えた息子頼道が父の別荘を改修してつくったのが平等院鳳凰堂です。なんでも、極楽へ行くためには、仏の姿をできるだけ具体的に思い浮かべる必要があるそうで、極楽へ行くためのハウツー本『往生要集』にもとづいて、お堂のなかに絢爛豪華な阿弥陀如来の国、極楽浄土をつくりあげてしまったのです。鳳凰堂内部(撮影禁止)はまさに天上世界。定朝作の阿弥陀如来も壁面で舞い踊る菩薩たちも異次元の神々しさをまとっているように見えたのでした。

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美しい宇治川の流れ

併設の平等院ミュージアム鳳翔館には、創建当時の極彩色に輝くお堂の内部が再現されています。そのあまりの鮮やかさには足を踏み入れた誰もが息をのむことでしょう。ちょっと意外だったのは、鳥が翼を広げた姿に似ているからことから、江戸時代にその名がついた鳳凰堂、翼の部分にあたる左右の張りだし部分はただの飾りなんだとか。

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通りにはお茶屋さんがずらり

ところで、極楽と地獄の概念をこれほどまでに浸透させた比叡山延暦寺の高僧源信の著した『往生要集』にも興味が湧きますよね。極楽へ行くことが人生の至上命題だったからこそ、ここまですごいものをつくれてしまったわけで。裏を返せば、地獄の刑罰がいかに凄惨なものかを同時に宣伝し、不安を煽る必要があったわけです。キリスト教の最後の審判のように。

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この世の極楽、平等院の次は、あの世の入口六道珍皇寺へ。
かつて広大な墓地だった鳥辺野の端にあたるこの寺には、墓地を制定した平安時代の役人小野篁(おののたかむら)の像と、死者を裁く閻魔大王像が安置されています。境内には篁が冥土に通ったという伝説の井戸まであって、ひとりで行くにはちょっと怖い感じです。死者が風葬されていた様子を想像するとさらに・・・

でもどうして小野篁があの世とこの世を行き来できたのでしょう?
嵯峨天皇に仕えていた篁、遣唐使船をめぐるトラブルで一度失脚して隠岐に流されたものの、数年後には無事政界に復帰。政治的に死んだ人間が蘇ったことから、こんな風に言い伝えられているのだそうです。私には閻魔さまより、不気味なほどコワモテな篁の像の方がずっと恐ろしく感じましたが。

わたの原 八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ あまの釣り舟

小野妹子の子孫であり小野小町の祖父、小野篁が流罪の際に詠んだ歌は百人一首にも収められています。その才能から都に呼び戻された篁、コワモテ過ぎるけどカッコいい!

あの世とこの世をつなぐ六道珍皇寺、毎年お盆になると、ご先祖の霊を迎えるために10万人もの人が訪れるそうですよ。

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小野篁の等身大の像と篁作の閻魔大王像が安置される閻魔堂

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