アートをめぐる旅

パリ・ワシントンDCで暮らした共働きの転勤族が、歴史・文化・芸術・自然をめぐる旅をしています。

ノルマンディー印象派フェスティバル2016  

この記事は “cafeglobe”に寄稿しています。(写真・文章の無断転載はご遠慮ください)
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ノルマンディー地方の町、オンフルール


フランス北部に位置するノルマンディー地方。パリを流れるセーヌ川が北西へ蛇行しながらイギリス海峡に注ぐ、水と光に満ちた印象派のふるさとです。

マネ、モネ、ルノワール、ドガ、シスレー、ピサロ、クールベ・・画家たちがカンバスをたずさえて描いたこの地で、第3回印象派フェスティバルが開催されています。

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Festival Normandie Impressionniste(公式)


2010年にはじまった歴史の浅い祭典ながら、前回の2013年には国内外から約180万人が訪れました。大人のアートな旅に注目が集まるなか、今年の夏は日本からも多くのツアーが組まれています。

バカンス一色の8月のフランスは、クローズしているお店も多いので、涼しいノルマンディーに足をのばして豊かな自然と芸術を満喫するプランも魅力的です。


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ジヴェルニーのモネの家


ノルマンディーには≪睡蓮の池≫が描かれたジヴェルニーのモネの家や中世の街並み美しいルーアン、世界遺産モンサンミッシェルなど見どころもいっぱい。

9月26日までの開催期間中、さまざまな町や村で400を超えるアートイベントが目白押し。絵画だけでなく映画や音楽、写真や演劇などバラエティ豊かな芸術鑑賞が楽しめます。海沿いにはドーヴィルやエトルタといった人気のリゾートも多く、猛暑の日本がうそのような爽やかさです。


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Cathédrale de Lumière(Rouen Tourisme & Congrès)


前回のフェスティバルを訪れた筆者が心動かされたのがこちら。パリから鉄道で1時間半、ルーアンの大聖堂を夜ごと彩る光のスペクタクル。モネはこのゴシック建築が時間によって色を変えるさまを33枚の連作におさめました。

中世に築かれた美が、モネによって近代芸術のモチーフとなり、現代の光のアートに引き継がれる。時を超えて紡がれた美に思いを馳せた贅沢な時間でした。
※2016年も同プログラムは開催されています。


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ル・アーヴルのアンドレ・マルロー近代美術館


モネ作≪印象、日の出≫の舞台で知られるル・アーヴル港を望むアンドレ・マルロー近代美術館では、“ウジェーヌ・ブーダン 光のアトリエ”展が開催中。印象派の先駆けとして飽くことなくこの土地の風景を描きつづけた画家の貴重な足跡をたどることができます。


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多くの画家が描いたエトルタ海岸


フランス北部への玄関口、パリ・サンラザール駅から鉄道に乗れば、牧歌的な車窓の風景に印象派の時代の空気を肌で感じることができるでしょう。特産のカマンベールチーズやりんごのお酒、シードルやカルヴァドスを味わいながら、アートをめぐる旅を楽しめたら素敵です。


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りんごのお酒とシードルカップの販売店

Festival Normandie Impressionniste
2016年4月16日(土)~9月26日(月)

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理想の図書館を探して~ 国立国会図書館 関西館  

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2002年開館の国立国会図書館 関西館(陶器二三雄設計、協同設計者3名)

小さなお財布で暮らしていた独身の頃から、通勤定期圏内の図書館めぐりをするのが週末のひそかな楽しみでした。

会社があった港区の図書館はもちろん、神保町が近く夜遅くまで開いている千代田図書館や建築にひかれて上野の国際こども図書館にも足繁く通いました。少子化で使われなくなった小学校の教室を改装した日本橋図書館の、都心とは思えない静けさとほのかに漂う白木の香りは今でもよく覚えています。

きっと、美術品以上に美術館そのものが好きなのと同じで、図書館という場所が好きなのでしょう。一生かかっても読み切れない大量の本に囲まれて、静かに書物と向き合う人々のいる空間で文字を追う幸せ。地図を片手に図書館めぐりをしていると、かわりばえのない日常に旅の風が吹くような新鮮さを感じたものです。

国立国会図書館に関西館があるのを知ったのは、先日訪れた京都府立図書館でふと手にした本がきっかけでした。琵琶湖疎水の流れも美しい岡崎の、平安神宮、京都国立近代美術館、京都市美術館に囲まれるようにして建つ京都府立図書館。モダニズム建築の内部には、ため息がでるほど素敵ならせん階段や照明がしつらえてあり、開催中の美術展の関連書籍コーナーや、過去の展覧会の図録の充実ぶりに目をみはりました。

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そしてたどり着いたのが、梅雨の晴れ間の日差しに輝く国立国会図書館関西館。近鉄線、学研奈良登美ヶ丘駅からバスに乗り、緑ゆたかな丘陵地を走ること15分、一流企業の研究施設がのびのびと建ち並ぶ一角にその場所はありました。自然光を採りいれた明るい閲覧室は白と濃茶のすっきり知的な内装で、パーソナルスペースもたっぷり。箱根のポーラ美術館が図書館になったような雰囲気です。ようやく見つけた理想の図書館は、けれどどこからも遠いこの立地だからこそのもの。お気に入りの図書館の徒歩圏内で暮らすことを夢見る私にとって、書物の桃源郷で過ごした時間は忘れられそうにありません。

国立国会図書館 関西館
京都府相楽郡精華町精華台8−1−3



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