アートをめぐる旅

パリ・ワシントンDCで暮らした共働きの転勤族が、歴史・文化・芸術・自然をめぐる旅をしています。

【パリ近郊】ロワイヨモン修道院は本物のサンクチュアリでした。  

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秋晴れの週末、パリから北へ38km、ヴァルドワーズ県アニエール・シュル・オワーズにあるロワイヨモン修道院(Abbaye de Royaumont)へ行ってきました。

町はずれの、周囲を森に囲まれた敷地内に一歩足を踏み入れると、まっすぐのびた栗の木の並木道とその中央を走る小川のような運河が秋の柔らかい日差しにきらきらと輝いています。ベンチで読書する若者や芝生でくつろぐカップル、ゆったりと行き交う人々は限りなく穏やかで、観光地というよりも地元の住民が集う憩いの場といった雰囲気です。なにしろ、空気のキレイなことといったら!

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聞き慣れない場所ながら、ミシュランのグリーンガイド(イルドフランス版)で2つ星を獲得しているのも納得。かつての修道院は、音楽やダンス、劇などを上演する文化施設としても充実しています。私たちが訪れた日は無料コンサートをやっていましたが、あいにくの満席。敷地内のチケットオフィスでいただいたプログラム冊子も立派なもので、小さな町でも文化度の高いフランスの豊かさをあらためて実感しました。

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たくさんの種類のハーブが育つ庭 Jardin des neuf carrés
ほおずきはフランス語で 『かごのなかの愛(Amour en cage)』・・

1228年にルイ9世、のちの聖ルイによって建てられたこのシトー会修道院は、国王の近親者が埋葬された重要な場所でしたが、フランス革命後は国の所有を離れ綿工場に、第一次大戦時には傷病兵を看護する赤十字病院として使われました。現在は文化施設として、水と緑溢れるサンクチュアリとして爽やかなプラスの気を湛えています。

あまりに素敵なこの場所は、映画『悲しみの天使 Les Amitiés particulières』(1964)や『愛の破片(Poussieres d'amour)』(1996)ほか多くの作品のロケ地にもなったそう。古い建造物を改装した心地いいサロン・ド・テでは、美味しいタルトもいただけますよ。パリの喧騒からしばし離れて、のんびりと癒された素敵な週末でした。

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モニュメントのように屹立する廃墟となった聖堂の一部



FONDATION ROYAUMONT
95270, ASNIÈRES SUR OISE

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【世界遺産】 プロヴァンで中世市場都市の栄華をしのぶ  

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天高く馬肥ゆる秋です!
そんな気分爽快な週末に行ってきたのは、パリから東南東へ約90km、イルドフランス地域圏セーヌエマルヌ県にあるプロヴァン(Provins)。まだフランス王領になる前のシャンパーニュ伯領時代の12~13世紀に市場都市として繁栄を謳歌した町は、現在までその町並みが保存されていることで、2001年世界遺産に登録されました。

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13世紀につくられたサン・ジャン門(La Porte Saint Jean)

世界遺産というと、気合いを入れて見てまわるのが王道のような気がしてしまいますが、ここプロヴァンは静かで小さな町。目を惹く大聖堂などがあるわけでもなく、新鮮な驚きや感動を期待して訪れると、その地味な風情に拍子抜けすることでしょう。900年も昔、交通の要衝であったこの場所が商業と金融と文化の一大拠点として栄えていたなんて。この町の繁栄を知るにはぜひ “10分の1税の納屋(Grange aux dîme)” へ。充実のオーディオガイド(英仏独西中)は必聴です!

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10分の1税の納屋(Grange aux dîme)

この町で開かれたシャンパーニュ定期市のためにトゥールーズ人が借りていた家屋兼納屋は、現在、当時の商人たちの姿を伝える博物館になっています。両替商や代書人、石工や陶工、毛皮商人などの仕事風景はなかなかにリアル。

アフリカの象牙や貴金属、モロッコの砂糖、マヨルカの米、エジプトの綿やオリエントの香辛料、ロシアの毛皮など、広範な地域から人とモノとお金が集まり、プロヴァンの通貨プロヴァンドゥニエはヨーロッパ大陸で広く流通したそうです。

14世紀半ばには通商路の変更や戦争、疫病などで町は衰退し、英仏百年戦争で一時イングランド領になるも、産業革命にも取り残され時代にも忘れ去られた町は、まるで時を止めたように往時の姿をとどめています。

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町の中心、シャテル広場には木骨造りのカフェやビストロ、お土産屋さんが、世界遺産の町にしては控えめな感じで並んでいます。過剰に観光地化するのをあえて抑制している雰囲気がとても好ましく、それでいて無料の地図やオーディオガイドなど押さえるべきは押さえる姿勢はさすがです。素敵なランチもいただけますよ^^

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セザール塔 (塔のうえからは360°のパノラマが)

見どころは、12世紀建造のセザール塔や13世紀の城壁、ちょっと怖い中世の地下道など、地味ながらも味わい深いポイントがいろいろ。パリからゆったり日帰りで楽しめるプロヴァン散策は、秋の1日にぴったりなミニトリップでした。


中世市場都市プロヴァン 公式サイト

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