アートをめぐる旅

パリ・ワシントンDCで暮らした共働きの転勤族が、歴史・文化・芸術・自然をめぐる旅をしています。

ノルウェー民俗博物館 ヴァイキングの歴史息づく中世の木造教会  

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オスロ中心街から少し離れたビィグドイ地区にあるノルウェー民俗博物館へ。
この博物館には、ノルウェーじゅうから集められたさまざま建造物が展示されているのですが、私たちのお目当ては中世の木造教会 スターヴヒルケ。「教会」といって思いつく限りのどんなものとも違う、北欧の伝統的な教会なのです。

まずは、オスロ中央駅から水色のトラムに乗って市庁舎前の港まで。徒歩15分程度の距離ですが、せっかくなので公共交通を利用。前職で、航空機やら鉄道やら船舶に親しんでいた影響で、旅にでるととりあえずひと通りの乗り物を試してみたくて仕方ありません・・

Oslo Map

フェリーと呼ぶには小さめな船で約15分 (これも公共交通!夏期のみ運行)、ドロンニンゲンにて下船。閑静な高級住宅街を抜けると、民俗博物館に到着です。なんと150以上の建物が展示される広大な敷地が広がっています。時間の制約もあり、迷わずスターヴヒルケに一直線。

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どうでしょう、これが北欧の中世の教会です。
13世紀に建てられたこの木造教会は、タールが塗ってあるため黒くツヤがあります。雪でつぶれないように屋根の傾斜はとても急で、どっしりと安定感抜群。かつて北欧には1,000ものこうした教会があったということですが、現存するのは約30程度。この建物はゴルという村から移築されたもので、建物の1/3が創建当時のものだそう。ノルウェーの世界遺産のひとつ、ウルネスの木造教会に足を伸ばすことができなかったので、ぜひ博物館で仲間の教会を見てみたかったのでした。

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優美で繊細な「教会」のイメージを覆す、この男性的な佇まい。
それもそのはず、この建物にはバイキングの造船技術が応用されているというから驚きです。プリミティブな彫刻が飾る入口を入ると、薄暗い内部には木に描かれた 「最後の晩餐」 があらわれ、人々の祈りは、神への信仰と同時に自然への崇拝へも向けられていたことが手に取るように理解できました。

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ムンク生誕150周年 “Munch150” オスロ市立ムンク美術館  


オスロ国立美術館でエドヴァルド・ムンクの画業前期(1882-1903)に触れたあとは、後期(1904-1944)を展示をしているオスロ市立ムンク美術館へ。

◆ ムンク生誕150周年 “Munch150” オスロ国立美術館

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結核持ちの家系に生まれ病弱な幼少期を送りながらも、80年の生涯を旺盛な創作活動で彩ったムンク。この美術館は、彼の遺志によりオスロ市に贈られた膨大な作品のために建てられ、生誕100周年にあたる1963年に開館しました。

ちょうどピカソがフランスで亡くなった際、天文学的な価値に上る遺産(作品)に対して、相続税の代わりに作品を徴収し、国立ピカソ美術館 (パリ) がつくられた話と似ています。ノルウェーにとってのムンクの存在の大きさは、この美術館で起きた2度の作品盗難事件に対する対応や、度重なるセキュリティ強化工事からも見て取れ、町の中心から離れた立地にもかかわらず、明るい活気に満ちていました。


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記念企画展 “Munch150” のために装飾されたエントランス

ガラス張りの開放的な館内へ入ると、順路の最初にオーディトリアムがあり、ムンクの人生と創作の軌跡を追ったフィルムを鑑賞します。まるで映画のようによくできていて必見です。
ムンクというと、落ちくぼんだ目に青黒い顔をした人物が並ぶ絵画をイメージしますが、この美術館には、オスロ大学講堂を飾る 「太陽」 「研究者たち/アルマ・マーテル」 の習作なども収蔵されていて、その希望に満ちた明るさとのギャップは、ほとんど衝撃的ですらありました。


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2007年秋、国立西洋美術館で開催されていた “ムンク展” では、この美術館から108点の作品が来日していたのですが、6年を経ての再会は感慨深いものがありました。当時は旅行なんて夢のまた夢という忙殺に近い日々にいた私たち。けれど、ムンクが 「叫び」 から 「太陽」 へ変化を遂げたように、すべては移り変わっていく。ムンクの人生を通して最終的に強く感じたのは、絶望よりもむしろ希望であったということも、6年前の私には得られなかった発見でした。


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ミュージアム・カフェで、お約束の 「叫び」 ケーキを。
目の前には緑豊かな公園が広がっています。

オスロ市立ムンク美術館 Munchmuseet


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ムンクを追え! 『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の100日ムンクを追え! 『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の100日
エドワード・ドルニック 河野 純治

光文社 2006-01-24

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