アートをめぐる旅

パリ・ワシントンDCで暮らした共働きの転勤族が、歴史・文化・芸術・自然をめぐる旅をしています。

パリ♡グラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展 内覧会/三菱一号館美術館  

Paris-Gra523.jpg

すっかりクリスマスムードの丸の内♪
最近は、仕事帰りでも立ち寄れる夜間開館の美術館が増えつつありますが、こちら 三菱一号館美術館では、毎月第2水曜日の17時以降、女性の入館料が1,000円になる “アフター5女子割”で21時までアート鑑賞を楽しめます。自宅と職場の往復の日々にちょっと疲れたら、芸術に触れてリフレッシュ。近隣には素敵なカフェやレストランもあって、働く大人のための贅沢な時間が流れています。

・国立美術館・博物館の夜間開館と連動したアートプロジェクト「フライデー・ナイト・ミュージアム@上野」の開催について

Paris-Gra568.jpg
右: アリスティド・ブリュアン、彼のキャバレーにて 1893
中央: エルドラド、アリスティド・ブリュアン 1892
左: コーデュー 1893 すべてアンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック

今回、私が訪れたのは、パリ♡グラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展 内覧会。19世紀末のパリで、ロートレックらの芸術家たちによって、ポスターや版画は芸術の域まで高められ、愛好家や収集家も出現しました。

展示室の壁紙がパリの街並みになっていて雰囲気がでていますよね。ちなみに、絵のモデル アリスティッド・ブリュアンは、作曲家兼歌手でキャバレー「ミルリトン」のオーナー。口の悪さが売りだったというブリュアンの不遜な雰囲気、余白からも伝わってくる感じがしませんか?

Paris-Gra533.jpg
ピエール・ボナール フランスシャンパンのためのポスター 1891 多色刷りリトグラフ

学芸員の方の話では、現存するポスターは、直接壁からはがされたものが多く、紙の継ぎ目や文字が入っている場所などが少しずつ違ったりしているのだとか。街なかにグラフィック・アートが溢れ、誰もが目にすることによって、芸術が大衆の生活へ浸透していった19世紀末。エッフェル塔が完成したのが1889年ですから、アートは豊かになりゆく社会を映す鏡でもあったわけです。

私が好きなポスターは、アルフォンス・ミュシャが描いた鉄道会社のものなんですが、庶民が気軽に旅行できるようになった時代の明るさを感じます。

Paris-Gra562.jpg

こちらは、ロートレックを一躍有名にした《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》(1891)。カンカンの踊り子グーリュと黒い影で表現された骨なしヴァランタンが躍る大胆な構図は、日本の浮世絵の影響を受けているのだそう。しかも、たった4色しか使わずにこのインパクト!

貴族の家に生まれ、下肢の障害に苦しみながら、夜の歓楽街モンマルトルでその才能を発揮したロートレック。ときに辛辣で、けれど垢ぬけた表現が、闇をまとった輝きとなって鑑賞者を惹きつけるのでしょう。パリじゅうの話題をさらったポスターは、今でもまったく古さを感じさせません。

Paris-Gra635.jpg
ファン・ゴッホ美術館から浮世絵も里帰り!

企画展のメインテーマは、《エリート(知的階層)からストリート(大衆)へ》。
知的階層が室内で密やかに愉しむ版画から大衆向けのアートとしての版画やポスターまで、絵画とはひと味違った魅力を発見できるバラエティ豊かな140点が並びます。

モーリス・ドニやムンク、ヴァロットンなど明と暗、硬と軟、愛と死を織り混ぜた展示を堪能することができました。オランダのファン・ゴッホ美術館が所蔵する19世紀末版画コレクションも見どころのひとつです。

Paris-Gra519-1.jpg

三菱一号館美術館
パリ♡グラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展
会期: 2017年10月18日(水)~2018年1月8日(月)
※ 美術館より特別に許可をいただき写真撮影しています


居住まいを正すような気持ちよい緊張感と、心が解放されていくようなリラックス感、それはとても心地よい ― そう、「幸せ」の感覚だ。



スポンサーサイト

category: 東京

thread: アート - janre: 学問・文化・芸術

tb: 0   cm: 0